ボールが利き手の方向に曲がってしまう、悩みのタネ「スライス」の種類と改善方法
ゴルファーが最初に直面するのが「スライス」。ドライバーやアイアンを打って、勢いよく飛び出したボールが右に弧を描いて曲がり、林の中やOBゾーンへ入っていき、ガッカリした経験があるかたも多いはず。
このゴルファーを悩ませる球筋「スライス」はなぜ起きるのか?ここではスライスの原因や種類、また矯正の方法について紹介します。
1 そもそもスライスとは?
スライスとは、打球が利き手の方向に曲がって弧を描くように飛んでいく現象のこと。右打ちならば右方向へ、左打ちならば左方向へボールがカーブしてしまいます。
これによって飛距離が出なかったり、OBに入ってしまい、スコアに影響してしまうので、ゴルファーとしては早めに矯正したいところ。
スライスが起こる原因は、身体の回転に腕の振りが追いつかないこと。クラブヘッドが遅れてボールに当たり、ボールに対してのインパクトに横からの角度が付いてしまうことで起こってしまうのです。
そうすることによってボールにスピンがかかり、野球の変化球のように曲がった弾道になってしまうのです。
次章ではスライスの種類や原因について詳しく解説していきます。
2 種類別に見る!スライスの原因とは?
スライスをしないためのスイング矯正を行う時に、自分が打ったボールがどのような軌道であるかを検証することが肝になります。
例えば、スライスが多いので、アウトサイドインの軌道を直さなくてはいけないと思い、一生懸命スイング矯正をしても、元々インサイドアウトの軌道をしていたという例も。
スライスの種類としては、大きく分けて3種類あります。
2-1 プルスライスの原因
初心者が起こしやすい「プルスライス」は、ショットが左に出てから右に曲がるような弾道のことです。 サイドスピン量が増えて、曲がり幅も大きくなるため、飛距離が出ない特徴があります。
スイングの軌道がアウトサイドインのために打ち出しは左に出て、インパクトの瞬間にフェースが開いている(フェースの面が外側を向いている)ために右回りの横回転がかかり、打球は右へカーブします。
2-2 ストレートスライスの原因
打ち出しでボールが右へ飛び出し、さらに右へ曲がっていくのが「ストレートスライス」。
スイング軌道がインサイドアウトのために右へ飛び、フェースも開いているのでさらに右へ曲がります。
目標から大きく離れた方向へボールが飛んでいくので、OBになることも多く、スコアを大きく崩す原因になってしまうことも…。
2-3 プッシュスライスの原因
ボールは真っ直ぐ飛び出しますが、途中から右へカーブしてしまうのが「プッシュスライス」。
スイングはスクエアで真っ直ぐボールに向かっているのですが、インパクトでフェースが開いているので右へ曲がってしまいます。
3 スライスを改善する方法とは?
スライスをする原因がわかったところで、改善する方法をここでご紹介いたします。
3-1プルスライスの改善方法
プルスライスの原因は、スイング軌道がアウトサイドインになっているということ。矯正するには、アドレスから見直していく必要があります。
アドレスの形は、ひとりでチェックするのは難しいのでビデオなどで撮影してチェックするようにするのがおすすめです。
- ドライバーショットの時、アドレスで肩のラインが地面と平行になっている場合は右肩を下げてアドレスします。
- ややクローズにアドレスして、右肩が前に出ないように引きます。
- 足から指導する感覚を身に着けるために一本足打法で練習をします。
- テイクバックで右足に全体重を乗せ、その後左足を思いっきり踏み込み、体重を左に乗せたままフィニッシュまで振ります。
この練習をすることで、左足を踏み込むまでクラブが振れないので強制的に下半身始動のスイングになり手打ちを矯正することができます。
3-2 ストレートスライスの改善方法
次にストレートスライスの改善方法について解説していきます。
- バックスイング中、もしくはトップの位置でヘッドカバーを落とさないように右脇を閉めます。
※右脇を閉めすぎてもいけません、右肘が下を向いていることが正しいので、気をつけましょう。 - クラブが地面と並行になった時点で、フェースの向きをチェック。正しいフェース面は「背骨と並行になっている」状態になります。(1時から2時の向きと覚える。)
スライスを打つ人の場合、バックスイングの時点でフェースが地面と垂直、もしくは上のほうを向いてしまっていることが多いようです。
前に、石川遼選手がスイングのときに一度止めてフェース面を確認してから打つ、というルーティーンを取っていました。
ぜひ同じような「フェース面の向き」の確認動作をしてみましょう。
3-3プッシュスライスの改善方法
最後はプッシュスライスの改善方法。
- ボールを極端に左に置いて、引っかけボールを打つ練習をします。
- 練習場でボールを左足の外側に置いて、引っかけもしくはプルスライスを打つ練習をしてください。
アイアンの場合はインサイドアウトの軌道ではこの位置のボールは打てないはずです。
この練習で絶対にプッシュアウトが出ないように徹底して練習してみてください、自然と手から切り返す感覚が身についてきます。
プッシュスライスを矯正するには、手打ちの感覚をつかむことが重要です。
まとめ
いかがでしたか?
「スライスをする」といっても、スライスの種類と原因があることをこの記事で お分かりいただけでしょうか。
ゴルフを初めたばかりのプレーヤーは、約9割がスライスをするとのことです。
大半の方がスライスボールの直し方に取り組むことになり、 球筋をストレートに近づけていくことが上達への近道になります。
ご自分のスライスの種類と原因を理解して、改善に努めていきましょう。